遺品整理の本来の意味は、思い出の品を整理すること。
遺品もきちんと整理をすれば資産に生まれ変わります。
はじめての時は、どこから手をつけていいのか戸惑うことがあるかもしれません。
遺品には、故人の負債や借金も含まれます。
通帳や保険、貴重品は間違ってもゴミとして捨てないように、片付けにも段取りが必要になります。
遺品整理 遺族の誰がすればいいの?
遺品は故人の所有物になりますので、たとえ親戚であっても勝手に遺品整理はできません。
このため故人の権利や義務を相続した「相続人」だけが遺品整理できます。
相続人とは、亡くなった方の遺産を相続する人ですので、配偶者、子ども、両親、兄弟が当てはまります。
たとえば相続人以外のあなたが勝手に遺品整理をすると、借金や負債があった場合も、あなたが「相続人」と見なされます。
遺品をすべて処分した後で「相続放棄」はできませんので、トラブルを避けるためにも注意してください。
遺品整理 行うタイミング
四十九の法要が過ぎてから行うのが一般的です。
年金、健康保険の返却、クレジットカードといった契約解除といった場合はすぐに行う必要があります。
ですが思い出の品であれば気持ちの整理がついてからで構いません。
中には2年経過してからとりかかる方もいます。
明確な日にちは決まっていませんが、賃貸の場合は家賃が発生するため葬儀が終わってすぐに遺品整理をする方もいます。
遺品整理はすみやかに
賃貸物件の場合は契約上のルールがあるため、すみやかに遺品整理をするのが基本です。
一般的な賃貸物件 | 14日以内 |
都民住宅 | 30日以内 |
借家住宅 | 1ケ月以内 |
賃貸の場合、遅延すると家賃が発生するため、明け渡し完了日をいつにするのか明確にします。
遺品整理にはトラブルがつきものです。
遺産相続で揉めることがないように分配方法を決めておきます。
遺言書が出てきた場合は、勝手に開封をしてはいけませんので家庭裁判所にいき相続人の前で開封をします。
遺品整理の効率の良いやり方
遺品整理は相続人が中心となりますが、効率を考えると複数人で整理をするのが一般的です。
- どのくらい時間がかかるのかスケジュールを組む
- 遺品を仕分ける
- 処理方法を決める
- 価値がある物についての処理を考える
整理する人、物を運ぶ人、ゴミを出す人と分担して作業をしましょう。
時計、着物、アクセサリーといった形見分けについては、親族や親しい人に分配しても構いません。
遺品整理の現実
遺品は故人が生前に生きた証として残した物になります。
現在は高齢化が進み孤独死や自殺も増加し、残された遺族や業者の負担も増えつつあります。
では残された遺族は、どのように対応していけばよいのでしょうか。
それぞれの立場から考えてみましょう。
遺品整理をした家族の立場
葬儀だけでも大変です。
ですが遺族は、葬儀だけ行えば終わりではありません。
突然つきつけられる膨大な遺品の量に驚くと言います。
価値がある物なのか、どれだけ大切な物なのかは故人にしか分かりませんよね。
時間がかかる作業のため、いつしか大切な株券や宝石を捨ててしまっていたってこともあり得るのです。
やはり家族がすべてを理解することは難しいのかもしれません。
遺品整理業者に任せるケース
共通している点として
「高齢化が進み遺品整理ができない」
「忙しくて部屋の整理ができない」
「急なことで頭がいっぱいでどうしてよいか分からない」
こういったケースで業者に依頼される方が増えています。
遺品整理業者はプロで慣れているため、作業時間も短時間で済みます。
速やかに整理を進めたい時、期日が決まっている場合は、業者依頼がスムーズです。
一方、遺族側は葬儀などの出費もあるため、遺品整理には費用を抑える傾向があります。
さまざまなケースに対応できるよう、独自のプランを設けている業者もあります。
一人で抱え込まないで、遺品整理の知識を身に付けたプロにお任せしましょう。
家主の場合
賃貸入居者が突然、亡くなった場合は一刻も早く部屋を整理しなければいけません。
家主の負担を軽くするために異臭、害虫といった特殊掃除から現状回復リフォームまで専門業者に依頼するケースが増えています。
本来であれば遺族が行います。
ですが孤独死や身寄りがいない場合は、費用がかかるため途方に暮れる家主も。
身寄りがいない場合でも、短時間で入居可能な「緊急パック」といった遺品整理プランもあります。
居住内で亡くなったり、モノが多い場合は、早めに行動することが次の入居者を迎えやすくなります。
自分で行う遺品整理
家族目線で整理ができるため心の整理がつきやすく、故人の供養につながります。
遺品整理の手順
遺品の種類に応じて異なりますが「分類→売却→処分→保管」が基本的なサイクルとなります。
個人の持ち物を選び、家電や家具はリサイクルショップへ、不要な物は処分をして形見になる物は保管をしていきます。
遺品整理をスムーズに行うやり方
遺品整理に必要な物を準備します。
■ダンボール
■ガムテープ
■マジック
■カッター
■軍手
■付箋・メモ帳
衣類や食器、家電、家具などを整理していきますが、処分するもの、貴重品、保管する物と区別しながら整理をしていきます。
迷った場合は「保留箱」を作り一時的に保管をします。
家具や家電はリサイクル買い取りを利用するなど、処分代金を少なくしていくのがポイントです。
自分で遺品整理を行う利点
第3者が介入しないのでプライベートを重視したい方、できるだけ費用を抑えたい方は向いています。
故人との思い出にゆっくり寄り添いたい人や時間に余裕がある方にもオススメします。
自分で遺品整理を行うと大変な点
ひとつひとつ整理をしていくので、気持ちの整理がつかない人は精神的にも負担がかります。
家具や家電と言った大きな物の処分もあるため、体力に自信がない方も大きな負担がかかります。
業者が行う遺品整理
遺族の高齢化や核家族といった生活スタイルの変化により、遺品整理を業者に依頼する方も増えてきています。
廃品回収業者と遺品整理専門業者との違い
廃品回収業者とは不用品をゴミとして回収する業者。
トラックで回収しますが依頼をしたすべての不用品を一括で処分できます。
遺品整理専門業者とは、プロの手で故人の資産を探し出し時間をかけて整理をしていく業者になります。
大きく異なる点は、供養や特殊清掃が含まれている点です。
部屋によっては、害虫や体液、異臭、汚物といった処置をする必要があります。
つまり遺品整理専門業者は、部屋を原状復帰する特殊な清掃も行っているのです。
少しでも不安がある方は、ためらわず遺品整理専門業者に依頼をしましょう。
業者はどこまで片づけてくれる?
自分でも行える遺品整理から、一般の人が難しいと思われる特殊清掃や共同供養もいっています。
基本的には、
■家財道具一式
■食器類
■保険証券や通帳
■貴金属
■財産の把握
■アルバム・手紙・手帳といった思い出の品
■仏壇・仏具
■人形・ぬいぐるみ
■洋服
■部屋の原状回復・ハウスクリーニング
■害虫駆除・体液・汚物処理 など
自分でも遺品整理をしながら、できない面は業者に依頼するなど上手く使い分けるとコスト面が抑えられます。
基本的に相続人の立ち合いが必要ですが、委任状を提出した場合は業者のみの整理も可能です。
業者に依頼するとどのくらいかかるの?
1時間いくらといった時間制ではなく、部屋の広さや遺品の量によって料金を設定している業者が一般的です。
料金の相場
業者や部屋の広さによって料金は異なります。
以下はおおよその目安金額です。
1K・1R | 4万円前後 |
2LDK | 12~16万円前後 |
3LDK | 16~18万円前後 |
4LDK | 20~22万円前後 |
一軒家 | 15~20万円前後 |
遺族の手伝いがあるかないか、高層階に住んでいるなどでも差があります。
見積もりは必ず取りましょう
業者に依頼する場合の費用も決して安くはないので、何社か見積もりを依頼しましょう。
具体的な作業内容を把握して料金を比較します。
同時に担当者の態度や、詳しい説明があるかなども見極めます。
見積もり無料や、現地で見積もり可能な業者もありますので、気になる業者はお問合せされるといいでしょう。
費用をおさえるコツ
費用を抑えたい人は、日用品、食器類、生活ごみといった普通ゴミをあらかじめ処分しておくことです。
自分たちで処分できる物は、できるだけ廃棄して、片付ける量を減らしておくのがポイントです。
業者に頼むメリットは、断然時短!
家具や家電を運ぶ手間が省け、貴重品を間違って処分しなくて済む点でしょう。
委任状と鍵があれば、相続人の立ち合い不要の業者もあります。
遠方に住んでいても依頼することができます。
業者は遺品整理に慣れているため短期間で完了します。
賃貸の場合は、原状復帰が早いこともメリットと言えるでしょう。
業者に頼むと負担になる点
自分で遺品整理をするよりも費用がかかります。
遺品の量で相場も変動しますが数万~数十万円の費用はかかります。
業者によっては高額な請求や雑に扱う場合もあるため、見積もり時の対応に問題がないかが見極めるポイントとなります。
どのような業者に頼んだらいい?
電話やメールで見積もりをしてくれる業者もありますが、信頼できる業者を選ぶようにしてください。
どのような時に追加料金が発生するのかも確認しておきます。
故人によっては倉庫や車庫に遺品があるケースもあるため、現地で見積もりをしてくれる業者は信頼できます。