初めての遺品整理は、分からないことだらけだと思います。
今の時代、家にあるモノだけが遺品ではありません。
知らずに後から請求があったりして早めにやっておけばよかった・・・と後悔しないように、しっかりと確認しておきましょう。
遺品整理にまつわる見落としがちな遺品は、身近すぎて気がつかないことも多いです。
どのようなものがあるのでしょうか。
故人の契約内容を確認しましょう
そもそも人が亡くなった場合、葬儀以外に大量の事務手続きがあります。
7日以内と日数が決められている内容も多く、この手続きだけで気が大変ですが、忘れてはいけないのが「解約」です。
相続放棄をしない限り、故人の契約は相続人に引き継がれるので注意しなくてはいけません。
例えば賃貸物件の場合、すぐに解約をして、必要のないサービスを払うことがないようにしっかりと確認をしておくといいでしょう。
借りている部屋の解約の前には、現状復帰やハウスクリーニングを行います。
忘れがちな契約内容
携帯電話
携帯電話の契約内容により異なりますが、「死亡届」「届出人の身分証」「故人の携帯電話」を窓口に持参して解約手続きを行います。
ネット契約
インターネットの固定回線を契約していた方は、プロバイダに連絡をします。
契約元に連絡をして停止手続きをしてください。
公共料金の解約
基本的にすべての遺品整理をしてから「公共料金の解約」手続きをしてください。
連絡をしてもすぐに解約できないケースもあるため、最低でも1週間前に各機関に依頼をします。
- 電気
- ガス
- 水道
- 固定電話
といったインフラの解約があげられます。
各カスタマーセンターへ連絡をすると「具体的にどうすればいいのか」説明があります。
ガスの場合は、遺族の立ち会いが必要になりますので注意してください。
サービスを継続したい場合は「名義変更」をしてください。
NHKの解約
故人が住んでいたテレビを使用しないのであれば、すみやかにNHKのフリーダイヤルに連絡をします。
亡くなったことを説明して解約手続きをします。
クレジットカードの解約
年会費が発生する場合もあります。
契約されているカード会社に連絡をします。
デジタル遺品の整理
整理しないで処分をするとデータの悪用や乗っ取りの危険性があります。
インターネットの普及により、故人のパソコンやスマートフォンにログインができないなどのトラブルが増加しています。
中身のデータを確認したいと思っても、パスワードが分からず、契約内容の把握ができない問題が起こっています。
デジタル遺品とは?
亡くなった人が生前使っていたデジタル機器やインターネット上に残したデータを意味します。
デジタル遺品と呼ばれる種類は以下の通りです。
- スマートフォン
- 携帯電話
- パソコン
- タブレット
- パソコンやスマートフォン内に保存されているデータ
- 携帯電話内の友人・会社・家族の連絡先
- メールアドレス
- ブログ
- SNS(ツイッター フェイスブック、インスタグラム)
- ネット銀行
- ネット証券
- 毎月発生している会員料や有料サイト
- クレジットマネー
- 電子マネー
デジタル遺品は「目に見えない遺品」と言われているため、処分をした後にトラブルになるケースが増えてきています。
いざという時のために、メモを紙で残しておくことが必要ですね。
安全に処分する・解約する方法
一番良い方法は、本人が生前に処理をしておくことですが、目に見えない情報のため放置されるケースが増えています。
インターネット上に登録されている場合は、アカウントの削除を行います。
ネット銀行やネット証券の口座は、各窓口へ相続の手続きをしてください。
適正に行わなければ解約できないため、扱い方が分からない、デジタル製品に弱い人は専門の業者に依頼をする方法もあります。
デジタル遺品業者のサポートサービス
パスワードが分からない、ログインできないといった場合は、専門業者に依頼する方法があります。
専門のスタッフがデータ解析を行いパソコン内部の閲覧ができるようにサポートします。
一般的に以下の内容を取り扱ってくれます。
- データの削除
- パスワードの解除
- ブログの閉鎖
- パソコンのデータ削除
- パソコン廃棄
パスワードだけを解除して、遺族が中身を整理する形も可能です。
トラブルが急増しているデジタル遺品
とくにスマートフォンの場合は、セキュリティの問題から本人以外が操作することが難しくなってきています。
IDやパスワードが分からなければ、解約や資産確認ができないため、デジタル製品にまつわるトラブルが増加しているのです。
インターネット上で株取引があった場合、損失があると遺族に被害が出るためデジタルに弱い人は遺品整理業者に依頼することをオススメします。
どんなトラブルがあるの?
- IDパスワードが分からず解約できない
- 身に覚えのないフォルダがある
- ネットバンクの口座が分からず確認できない
- 譲り受けたスマートフォンで契約情報が分からない
- 夫のSNSを発見し、知りたくなかった情報を知ってしまった
ロックがかかっていて簡単に見られない、知りたくなかった異性とのやりとりを発見してしまうケースもあります。
トラブルを避けるために今からできること
スマートフォンや携帯電話の解約は亡くなった後でも可能です。
しかしスマートフォンのIDやパスワードの解除に関しては、遺族がドコモ・au・ソフトバンクのお店に頼んだとしてもできません。
IDやパスワードといった解除は、亡くなってしまった本人以外は簡単に解除できないことから自分で整理することや家族に前もって伝えておくことも必要です。
遺族の目に触れてはいけないものは「墓場まで持っていく覚悟」で整理をして一覧表を作ると良いでしょう。
- 使用中のパスワード
- ID
- パスワード
- サイト名
- URL
- 口座情報
- 運用情報
- 有料の場合は脱会に関する情報
ノートにまとめて家族に何をどうして欲しいのか書いておきます。
パソコン上ではなく、紙に書いて残しておくのが一番分かりやすい方法です。
削除サービスソフトもある
また自動削除サービスといった専用ソフトも存在しています。
- 「死後の世界」
- 「ぼくが死んだら」
データの中には見られたくないものが沢山ある方は、自動でデータ削除してくれますので、積極的に活用しましょう。
指定した日を過ぎるとファイルの中を自動削除しますが、生前中は定期的にパソコンを起動しなければいけない手間があります。
生前整理をはじめましょう
物やデジタル製品も含まれますが、自分が亡くなった後に、遺族が困らないように身辺整理をしておくのが生前整理です。
家族に迷惑をかけないためや、自分のプライバシーを守るため普段からまめに整理をしておきます。
生前整理を行う理由
生前整理とは本人が家族や親族のために財産や相続トラブルを避けるために行うものです。
いつ入院するかも分かりませんし死は突然やってくるもの。誰も予測はできません。
家族の遺品整理の負担軽減につながり、いざという時も備えておけば安心です。
遺品整理との違い
遺品整理とは、すでに亡くなった人の遺品を「必要なもの」と「不要なもの」に仕分けることを意味しています。
基本的には四十九日を過ぎてから行うことが多いです。
賃貸の場合は家賃が発生するため、葬儀後にすぐに行う方もいます。
生前整理を行う時期
体力が充実している時がおすすめです。
子どもが独立した時、同居のタイミングもありますが「今やろう!」と思いついた時がタイミングなのです。
介護施設へ長期入院した場合、退院した時の生活のために、入院中に家族が整理を行ったり、業者に不用品回収を依頼するケースが多いです。
本人が大事に思っているモノは家族では判断できないこともあります。
できれば本人立ち会いのもと整理を進めていきたいものです。
このため元気のうちに、家族のために自分に関する生前整理をしておくことが大切になってきます。